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「男はつらいよ」映画冒頭の「寅さんの夢」全作品まとめ【随時更新】

目次

男はつらいよシリーズのお約束「寅さんの夢」とは?

映画「男はつらいよ」シリーズには有名なお約束がある。それは「映画が寅さんの夢ではじまる」というものだ。映画冒頭、いわゆるアバンタイトルにおける「寅さんの夢」は、第2作「続・男はつらいよ」で初めて採用され、第9作「男はつらいよ柴又慕情」以降はほとんどの作品が「寅さんの夢」で始まるようになる。

この夢シーン、第2作「続・男はつらいよ」第5作「男はつらいよ望郷篇」のそれは後に続く映画本編と密接な関わりがあるものだった。しかし、回を重ねるにつれて映画本編とは関わりがないものが増え、夢シーンがなくても映画が成り立つ「おまけシーン」へと変質していった。

「おまけシーン」だからこそ、その内容はコメディ、パロディ、コント、流行りもの、時代もの、となんでもありのやりたい放題。時には悪ふざけのような行き過ぎた回もあるが、第一線で活躍する俳優・製作者たちが本気で取り組む「おまけシーン」には思わず唸らされる演技・演出が多い。日本芸能に対する深いオマージュが感じられる回もあり、ただのおまけ、おふざけとして片づけられない迫力がある。

倍賞千恵子によると「男はつらいよ」の撮影は、夢シーンか、旅先から帰った寅さんが茶の間で話を聞かせるシーンから始まることが多かったという参考:「倍賞千恵子の現場」85P)。夢シーンは、映画本編とはあまり関係がない「おまけシーン」だから、クランクイン後の最初の撮影にはもってこいのシーンだったのだろう。演者たちもリラックスしてのびのびと撮影に臨んでいる様子がうかがえる。

本記事ではそんな「寅さんの夢」全内容を簡潔にまとめた。「えっ!こんな夢もあるの?」という驚きから「男はつらいよ」シリーズへの興味がさらに広がれば幸いである。

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第1作・寅さんの夢【なし】

第1作「男はつらよ」寅さんの夢シーンはない。葛飾柴又を映すモノクロ映像に、20年ぶりに故郷に帰る寅さんのモノローグ(「桜が咲いております。懐かしい葛飾の桜が、今年も咲いております」)が重なるオープニング。冒頭の桜の映像は「男はつらいよ」の映画化が決定する以前に、山田洋次監督の独断で先行撮影されたという(参考:「みんなの寅さんfrom1969」著・佐藤利明

渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第2作・寅さんの夢【生き別れの母に会う】

第2作「続・男はつらいよ」の映画冒頭・寅さんの夢は、生き別れの母親・お菊に会う夢。「男はつらいよ」シリーズの記念すべき初「寅さんの夢」だ。舞台は紅葉の葉舞い落ちる小川のほとり。寅さんは夢の中で実の母親・お菊に必死に語り掛ける。最後には「おっかさーん!」と叫ぶがお菊は何も答えず闇に消えていく。第2作の夢シーンは映画本編の伏線として重要な役割を果たしている。

出演者[車寅次郎]渥美清/[夢の中のお菊]風見章子
覚醒後うなされて目覚めるとそこは旅先の旅館。「また夢か」。寅さんはそうつぶやいて寝直そうとするが、自分のこいた屁にむせてしまう。
元ネタ長谷川伸の戯曲「瞼の母」
夢の長さ1分32秒(松竹ロゴから夢終了までの時間)
渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第3作・寅さんの夢【なし】

第3作「男はつらいよフーテンの寅」寅さんの夢シーンはない。映画冒頭、寅さんは体調を崩してボロボロの安宿に療養している。女中(悠木千帆 後の樹木希林)に身寄り頼りを尋ねられた寅さんは、家族写真に写るさくらと満男を自分の妻子だと嘘をついてしまう。珍しい寅さんのマスク姿が見られる。

渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 森﨑東 (監督)
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第4作・寅さんの夢【なし】

第4作「新・男はつらいよ」寅さんの夢シーンはない。映画冒頭は、峠の茶屋でバスを待つ寅さんから始まる。寅さんは茶屋のおばあちゃんにお代を払い、「釣りはいらねえよ」とカッコよく決めるが金額が足りない。その後、バスの窓から身を乗り出し、隣の乗客をバシバシ叩きながらおばあちゃんに別れを告げる。

本作はTVドラマ版「男はつらいよ」の演出家・小林俊一が監督を務めている。窓から身を乗り出した寅さんが、隣の乗客を帽子でバシバシ叩くというコミカルな演出は、山田洋次監督であればまずやらないものである。映画冒頭から山田洋次監督との演出の違いがはっきりと分かる。

渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 小林俊一 (監督)
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第5作・寅さんの夢【おいちゃんの死に目に会う】

第5作「男はつらいよ望郷篇」の映画冒頭・寅さんの夢は、おいちゃんの死に目に会う夢。舞台はとらやに良く似た幻想的な日本家屋。とらや一同が見守る中心に顔色の悪いおいちゃんが横たわっている。「寅、あとのこと、た、頼む……」。おいちゃんはそう言うと静かに息を引き取った。泣き崩れるとらや一同と寅さん。夢の中のさくらは寅さんに「お兄ちゃん泣かないで……ねえお兄ちゃん……」と声を掛けるが、最後の一言が「お兄ちゃん」ではなく突然「お客さん」に代わる。ハッと目を覚ますと、旅館の仲居(谷よしの)が寅さんに声をかけていたというオチ。

出演者[車寅次郎]渥美清/[さくら]倍調千恵子/[博]前田吟/[おいちゃん]森川信/[おばちゃん]三崎千恵子/[タコ社長]太宰久雄/[医者]不明/[看護婦]/不明
覚醒後目覚めるとそこは旅先の旅館。降りやまない雨を見つめて寅さんはぼやく。「テキヤ殺すにゃ刃物はいらぬ 雨の三日も降りゃあいいってね……いっそのこと、カラッと晴れちゃくれねえかな」。
元ネタ不明
夢の長さ1分54秒(松竹ロゴから夢終了までの時間)
渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第6作・寅さんの夢【なし】

第6作「男はつらいよ純情篇」寅さんの夢シーンはない。映画冒頭は、夜汽車に乗って旅する寅さんのモノローグから始まる。「ふるさとは遠きにありて思うもの、とか申します」。対面に座る子連れの女性に妹・さくらを思い出して涙ぐむ寅さん。その後、缶ビールを豪快に吹きこぼす。電車内の床にたくさんのゴミが落ちているあたりに昭和を感じる。

渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第7作・寅さんの夢【なし】

第7作「男はつらいよ奮闘篇」寅さんの夢シーンはない。映画冒頭は、旅先の駅で東京に集団就職する学生たちを見守る寅さんから始まる。寅さんは感極まった様子で「元気でな」と学生たちを見送るが、その直後「あれ? あ!俺もあの汽車乗るんだ!」と気がついて必死に汽車を追いかける。

ちなみに、このシーンの学生や家族は俳優ではなく、すべて地元の一般人。渥美清が寅次郎のセリフ「親を恨むんじゃねえよ、親だって何も好き好んで貧乏してるわけじゃねえんだよ」を言うと、おばさんたちが本当に鼻をすすって泣いたという。(参考「今日も涙の日が落ちる―渥美清のフーテン人生論」著・渥美清 152P)

渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第8作・寅さんの夢【なし】

第8作「男はつらいよ寅次郎恋歌」寅さんの夢シーンはない。映画冒頭は、寅さんと旅役者の板東鶴八郎一座の出会いから始まる。寅さんは降り続く雨で興業が打てない座長を励ました後、看板女優の大空小百合(岡本茉利)に宿まで送ってもらう。別れ際、寅さんは小百合に小遣いを渡すが、500円札と間違えて5000円札をあげてしまう。この板東鶴八郎一座は、後のシリーズ作品にたびたび登場する準レギュラーの脇役となる。

なお、第37作「男はつらいよ幸福の青い鳥」は、この時の大空小百合が成長し、マドンナ島崎美保(志穂美悦子)として再登場するという作品だ。第8作でのこの出来事は、寅さん・美保それぞれの思い出として語られる。

渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第9作・寅さんの夢【昔かたぎの侠客になる】

第9作「男はつらいよ柴又慕情」の映画冒頭・寅さんの夢は、昔かたぎの侠客(きょうかく)になる夢。「無駄な人殺しはしたくはございません……もし、金で済むことでしたら」。抑えた口調で凄みを利かせ、借金の取り立てに苦しむ漁師の夫婦・さくらと博を救う寅さん。口に加えた長い楊枝から「木枯らし紋次郎」のパロディと思われる。出演者はみな時代劇風の衣装にもかかわらず、寅さんだけがいつものスーツ姿であるのが笑える。

出演者[車寅次郎]渥美清/[さくら]倍賞千恵子/[博]前田吟/[ヤクザの親分]吉田義夫/[ヤクザの子分(鍋を持っている)]中田昇/[ヤクザの子分(布団を持っている)]北竜介/[オープニング・金平駅の駅員]大杉侃二郎
覚醒後目覚めるとそこは尾小屋鉄道・金平駅の駅舎(廃線)。寅さんは駅員の声掛けで目を覚まし、電車に乗り込む。
元ネタ「木枯らし紋次郎」(1972年のテレビドラマ)
夢の長さ4分08秒(松竹ロゴから夢終了までの時間)
渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第10作・寅さんの夢【マカオの寅になる】

第10作「男はつらいよ寅次郎夢枕」の映画冒頭・寅さんの夢は、「マカオの寅」になる夢。舞台は港町にある大正風のカフェ。カフェの女給・さくらとその恋人・博がヤクザ一味に絡まれていると、マドロス風の格好をした寅さんが現れて親分を射殺する。「お兄ちゃん!」。呼び止めるさくらの声に後ろ髪引かれながら、マカオの寅は警察に連行されていく。

出演者[マカオの車]渥美清/[さくら]倍賞千恵子/[博]前田吟/[ヤクザの親分]吉田義夫/[ヤクザの子分・辰]三角八郎/[ヤクザの子分(さくらを押さえつける男)]中田昇/[女給1]笹原光子/[女給2]安井真樹子/[刑事]河村憲一郎
覚醒後目覚めるとそこはJR中央本線・日出塩駅の駅舎。寅さんは近くになっている柿を食べるがそれは渋柿で、「かぁーっ渋い!」と言って思いっ切り顔を歪ませる。
元ネタ不明
夢の長さ4分14秒(松竹ロゴから夢終了までの時間)
渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第11作・寅さんの夢【旅姿のやくざになる】

第11作「男はつらいよ寅次郎忘れな草」の映画冒頭・寅さんの夢は、旅姿のやくざになる夢。舞台は時代劇風のひなびた農村。親孝行者のおさくと病弱な父親のもとに、タコ社長扮する借金取りが取り立てにやってくる。寅さんは旅姿のやくざとなり、見事な殺陣を決めて借金取り一味をやっつける。「お天道様はお見通しだぜぇ」。最後に決めゼリフを言うと「いよっ!大統領!」「日本一!」「寅次郎!」「よっ!後家殺し」の喝采が響く。

渥美清はドサ回りの旅芸人から役者としてのキャリアをスタートさせている。この夢シーンで見られる鮮やかな立ち回りは、この旅芸人時代に培った芸かもしれない。

出演者[旅姿のやくざ・寅]渥美清/[おさく]倍賞千恵子/[ひろ吉]前田吟/[おとっつぁん]吉田義夫/[借金取りの親分]太宰久雄/[借金取りの子分]佐藤蛾次郎
覚醒後目が覚めるとそこは旅先の古いほこらで、雨が降っている。寅さんは足元に落ちている番傘を拾うがボロボロで役に立たない。「月さん、雨が……。春雨じゃあ!……濡れていくか」。降りやまない雨にぼやく寅さん。
元ネタ大衆演劇の時代劇
夢の長さ4分00秒(松竹ロゴから夢終了までの時間)
渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第12作・寅さんの夢【黒装束の謎のヒーロー】

第12作「男はつらいよ私の寅さん」の映画冒頭・寅さんの夢は、黒装束の謎のヒーローになる夢。舞台は大正時代の農村。あくどい豪商が物資を買い占めたせいで柴又村の人々は貧しい暮らしにあえいでいた。豪商一味がさくらを虐げていると、そこに黒装束に身を包んだ寅さんが現れ、豪商をピストルで射殺する。村の人々を解放した寅さんは叫ぶ。「見よ!あの東(ひんがし)の黎明を!ああ、柴又の村にもついに平和がやってきたのだ」。

出演者[謎のヒーロー]渥美清/[さくら]倍賞千恵子/[買占め商人]吉田義夫/[買占め商人の取り巻き1]太宰久雄/[買占め商人の取り巻き2]佐藤蛾次郎/[買占め商人の取り巻き3]加島潤/[買占め商人の取り巻きの芸者(ピンクの外套)]川井みどり(参考:「男はつらいよ覚書ノート」 川井みどりさんを第12作「私の寅さん」で探せ!!/[柴又村の村民]谷よしの/他
覚醒後目が覚めるとそこは渡船場。慌てて船から降りた寅さんは自分のカバンと間違えて女学生のカバンを持ち出してしまう。
元ネタ不明
夢の長さ3分40秒(松竹ロゴから夢終了までの時間)
渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第13作・寅さんの夢【花嫁を連れて故郷に帰る】

第13作「男はつらいよ寅次郎恋やつれ」の映画冒頭・寅さんの夢は、花嫁を連れて故郷に帰る夢。桜吹雪舞い散る中を花嫁行列が進んでいく。紋付き羽織袴でばっちりキメた花婿の寅さんは、満面の笑みを浮かべてとらやに帰るが、晴れ姿を見せたかった叔父・叔母はすでに亡くなっていた。墓前で泣きじゃくる寅さんをさくらと博が慰める。さくらと博がとらやの後を継いでいるという設定になっており、博の珍しいだんご職人姿を見ることができる。

出演者[車寅次郎]渥美清/[さくら]倍賞千恵子/[博]前田吟/[タコ社長]太宰久雄/[タコ社長の妻]水木涼子/[花嫁]石原昭子
覚醒後目覚めるとそこは京成本線の電車の中。寅さんは寝過ごしてしまい国府台駅に向かう途中だった。おじさん(吉田義夫)おばさん(武智豊子)に挟まれて居心地の悪い寅さんであった。
元ネタ不明
夢の長さ2分50秒(松竹ロゴから夢終了までの時間)
渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第14作・寅さんの夢【産土(うぶすな)の神が子供を授ける】

第14作「男はつらいよ寅次郎子守唄」の映画冒頭・寅さんの夢は、産土(うぶすな)の神が子宝に恵まれない夫婦に子供を授ける夢。舞台は大昔の農村。子宝に恵まれない夫婦がほこらにお百度参りをしていると、突然神様が現れて夫婦に子供を授ける。神様は「賢き男の子なりせば名は“寅次郎”と命名す」と言った。神様が登場する時の「妙なる楽の音」が「男はつらいよ」テーマソングのイントロになっているところがおかしい。

ちなみに、「産土(うぶすな)の神」とは、日本古来の宗教・神道における「自分が生まれた土地の守護神」のこと。

出演者[産土の神]渥美清/[さくら]倍賞千恵子/[博]前田吟/[赤ちゃん]不明
覚醒後煙で目を覚ますとそこは旅先の河原。地元の子供が焚火で焼いてくれた川魚を食べた寅さんは「うまいなこのイワシは」と言った。
元ネタ不明
夢の長さ2分43秒(松竹ロゴから夢終了までの時間)

第15作・寅さんの夢【海賊キャプテンタイガー】

第15作「男はつらいよ寅次郎相合い傘」の映画冒頭・寅さんの夢は、海賊キャプテンタイガーになる夢。タイガーは20年前に生き別れた妹のチェリーを探し求めて海賊船を率いている。やがてタイガー一味は奴隷船を急襲し、捕らえられていた奴隷たちを救う。奴隷の中には生き別れた妹のチェリーと家族がおり、再会を果たした彼らは故郷のカツシカ島を目指す。映像に「THE END」の文字が重なり、夢は映画の幕切れのようにして終る。

ゲスト俳優に上條恒彦、米倉斉加年を迎え、これまででもっとも出演者の多い豪華な夢シーンとなった。ちなみに、海賊や奴隷の一団を演じたのは第14作「寅次郎子守唄」で江戸川合唱団を演じていた統一劇場のみなさん。

出演者[海賊キャプテンタイガー]渥美清/[チェリー]倍賞千恵子/[ジャック]前田吟/[おいちゃん]下條正巳/[おばちゃん]三崎千恵子/[ミツオ]中村はやと/[ヒゲの海賊]上條恒彦/[片目の海賊]米倉斉加年/[海賊たち・奴隷たち]統一劇場/[海賊の下っ端]露木幸次
覚醒後目が覚めるとそこは映画館。寅さんは映画館で映画「海賊船悪魔号」を見ているうちにこの夢を見た。映画館のおばちゃんに礼を言って寅さんは映画館を立ち去る。
元ネタ海賊映画
夢の長さ6分30秒(松竹ロゴから夢終了までの時間)
渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第16作・寅さんの夢【西部劇タイガーキッド

第16作「男はつらいよ葛飾立志篇」の映画冒頭・寅さんの夢は、西部劇の主人公・タイガーキッドになる夢。舞台は西部開拓時代のアメリカ。酒場で女が兄を想うバラードを歌っていると、悪党が彼女に因縁をつける。そこに現れたのは1万ドルの賞金がかかったお尋ねもののタイガーキッド。彼は悪党を次々と撃ち殺すと、再び一人で馬に乗って旅立っていった。

本作の夢シーンでは楽曲「さくらのバラード」(作詞:山田洋次/作曲:山本直純)の替え歌(西部劇バージョン?)が披露される。倍賞千恵子がソロで歌をうたうのは第8作「寅次郎恋歌」以来のこと。その美声は相変わらず素晴らしい。前作に引き続き、上條恒彦、米倉斉加年、統一劇場らが出演している。

出演者[タイガーキッド]渥美清/[酒場の女]倍賞千恵子/[ギタリスト]上條恒彦/[バンジョー弾き]佐藤蛾次郎/[紳士風のガンマン]米倉斉加年/[悪党の旦那]吉田義夫/[悪党の手下]太宰久雄
覚醒後目が覚めるとそこは馬車の荷台。寅さんは荷台から落っこちたカバンを慌てて拾い、馬車を追いかけて走った。
元ネタ西部劇
夢の長さ5分50秒(松竹ロゴから夢終了までの時間)
渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第17作・寅さんの夢【寅船長、ジョーズと戦う】

第17作「男はつらいよ寅次郎夕焼け小焼け」の映画冒頭・寅さんの夢は、狂暴な人喰い鮫と対決する夢。舞台は大海原に浮かぶクルーザーの船上。人喰い鮫はおいちゃん、おばちゃん、満男、源公、さくらを喰い殺し、次はいよいよ寅船長に襲い掛かる。下半身を喰いちぎられた源公や、体を喰いちぎられハイソックスを履いた両足だけが残ったさくらなど、グロい演出に大爆笑である。ホラー映画さながらの特殊メイクで夢シーンの新境地を開いた。

この夢シーンの元ネタはもちろん映画「ジョーズ」。「ジョーズ」は第17作「寅次郎夕焼け小焼け」の半年程前に日本で公開され大ヒットしていた。

出演者[寅船長]渥美清/[さくら]倍賞千恵子/[源公]佐藤蛾次郎
覚醒後目が覚めるとそこは港の堤防。寅さんは地元の子供たちと釣りに興じているうちに居眠りをしていた。その後、寅さんは釣り上げた小さな魚に指をかまれる。
元ネタ映画「ジョーズ」(1975年)
夢の長さ3分06秒(松竹ロゴから夢終了までの時間)
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第18作・寅さんの夢【仏語を話す「アラビアのトランス」】

第18作「男はつらいよ寅次郎純情詩集」の映画冒頭・寅さんの夢は、「アラビラのトランス」になる夢。舞台は北アフリカの港町。美しい日本女性・さくらがトランスに話しかけて兄・寅次郎の消息を訪ねる。トランスは動揺するが、友人の寅次郎はもう死んだ、と話す。するとそこに追手が現れてトランスをピストルで撃つ。トランスは自分が寅次郎であることを隠したまま姿を消す。刑事役の吉田義夫が撃たれた後、源公とタコ社長が「トラジロー」「ケッコウケダラーケ!」と叫ぶのが実に馬鹿馬鹿しい。

寅さん最後のセリフ「C’est l’élégance, D’urban(セレガンス、ダーバン)」は、1970年代に流行ったアパレルブランド「ダーバン」のコマーシャルが元ネタ。コマーシャルでは俳優アラン・ドロンが「D’urban, c’est l’élégance de l’homme moderne.」と渋い声で話している。

出演者[アラビアのトランス]渥美清/[さくら]倍賞千恵子/[刑事]吉田義夫/[地元の警察]太宰久雄/[現地人]佐藤蛾次郎/[酒場の女]岡本茉莉
覚醒後旅先の床屋で散髪中に寝てしまた寅さん。顔に掛けられた蒸しタオルの熱さで「あちぃっ!」と思わず目を覚ます。
元ネタ映画「アラビアのロレンス」
夢の長さ3分53秒(松竹ロゴから夢終了までの時間)
渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第19作・寅さんの夢【鞍馬天狗でチャンバラ剣劇】

第19作「男はつらいよ寅次郎と殿様」の映画冒頭・寅さんの夢は鞍馬天狗になる夢。舞台は幕末の京都。寅さん扮する鞍馬天狗は、はぐれていた杉作と五条大橋で再会。この時、杉作を保護したのは20年前に生き別れた妹のさくらだった。しかし、これは討幕派の仕組んだ罠。鞍馬天狗は自分の命を狙う討幕派の志士たちを華麗な太刀さばき(もしくは自滅)でやっつける。その後、さくら・杉作とともに馬に乗って鞍馬天狗は走り去っていった。

元ネタの鞍馬天狗と言えば、本作にお殿様役で出演した嵐寛寿郎=アラカンの当たり役。アラカンは30年の長きにわたり、40本以上の「鞍馬天狗」シリーズで主演を務めた。本作の夢シーンは、偉大な映画スターに捧げるオマージュなのである。

出演者[鞍馬天狗]渥美清/[さくら]倍賞千恵子/[杉作]中村はやと/[山岳党のリーダー]吉田義夫/[山岳党の子分1]太宰久雄/[山岳党の子分2]佐藤蛾次郎/[山岳党の子分3]上條恒彦
覚醒後目が覚めるとそこはJR予讃線の下灘駅。駅員さんに列車が来るよと起こされた寅さんは、目の前に広がる瀬戸内海を見ながら大きく伸びをする。
元ネタ映画「鞍馬天狗」シリーズ
夢の長さ3分44秒(松竹ロゴから夢終了までの時間)
渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第20作・寅さんの夢【とらや一同 大金持ちになる】

第20作「男はつらいよ寅次郎頑張れ!」の映画冒頭・寅さんの夢はとらや一同が大金持ちになる夢。白亜の豪邸の一室で眠っていた寅さん。目を覚ますとそこにはブルジョワな衣服、装飾品で着飾ったとらや一同がいる。あっけに取られている寅さんにさくらは「長い間の苦労が実って、私たち今はもうお金持ちなのよ」と言った。博は「こんな汚いもの捨てちゃいなさい」と言って、寅さんの帽子とカバンを捨てようとした。

お金持ちのマダム風に着飾ったおばちゃんや、朝日印刷の副社長になった博のビジネスマンコスプレを見ることができる。岡本茉莉が演じる可愛いメイドの「がんもどきの煮たの♪」にも爆笑である。

出演者[車寅次郎]渥美清/[さくら]倍賞千恵子/[博]前田吟/[おいちゃん]下條正巳/[おばちゃん]三崎千恵子/[満男]中村はやと/[執事]吉田義夫/[メイド]岡本茉莉
覚醒後目が覚めるとそこは旅先の田舎道。寅さんは寝ているうちに自分の帽子とカバンが盗まれていることに気が付き、盗みを働いた泥棒を追いかける。泥棒は逃げていったが、帽子とカバンは無事取り戻すことができた。
元ネタ不明
夢の長さ3分08秒(松竹ロゴから夢終了までの時間)
渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第21作・寅さんの夢【第三惑星から来た宇宙人・寅さん】

第21作「男はつらいよ寅次郎わが道をゆく」の映画冒頭・寅さんの夢は、葛飾柴又にUFOがやってくる夢。ある日、葛飾柴又に寅さんの帽子と同じ形をした謎の飛行物体=UFOが飛来する。このUFOは、これまで車寅次郎として地球で暮らしていた異星人仲間を迎えにやって来たのだった。この時、UFOの乗り組み員である源公は置いてけぼりにされ地球人に捕らえられてしまう。素のまんまでも「猿の惑星」コスプレとして成立してしまう源公がおかしい。

本作が公開された1978年はピンクレディー「UFO」が大ヒットし、また、映画「スターウォーズ」「未知との遭遇」が日本公開されるなど、日本に大変なSFブームが巻き起こっていた。世相を反映した夢シーンである。

出演者[宇宙人・寅]渥美清/[さくら]倍賞千恵子/[博]前田吟/[おいちゃん]下條正巳/[おばちゃん]三崎千恵子/[満男]中村はやと/[タコ社長]太宰久雄/[宇宙人]佐藤蛾次郎/[朝日印刷の工員1]笠井一彦/[朝日印刷の工員2]長谷川英敏/[朝日印刷の工員3]木村賢治/[朝日印刷の工員4]羽生明彦/ [ご近所1]谷よしの/[ご近所2]後藤泰子/[ご近所3]高木信夫
覚醒後目を覚ますとそこは国鉄宮原線麻生釣駅あそづるえき)のホーム。寅さんは学生がラジカセで流すピンクレディー「UFO」で眠りから覚めた。寅さんがベンチから立つと反対側に座っていた不良の学生がズッコケる。
元ネタ映画「未知との遭遇」「猿の惑星」
夢の長さ4分36秒(松竹ロゴから夢終了までの時間)
渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第22作・寅さんの夢【寅さん地蔵が柴又村を救う】

第22作「男はつらいよ噂の寅次郎」の映画冒頭・寅さんの夢は、寅さん地蔵が柴又村を救う夢。舞台は時代劇風のひなびた農村。親孝行者のおさくと目が見えない父親のもとに、タコ兵衛が借金の取り立てにやってくる。するとそこに南無観世音寅地蔵尊(なむかんぜおんとらじぞうそん)が人の姿で現れて、病気の父の目を治し、米俵に海の幸山の幸、さらには大判小判の雨を降らせる。ついでに柴又村の人々にも子々孫々にわたる幸せをもたらした。

目が小さく、顔が四角い寅さん地蔵の顔が、やがて現実世界の寅さんの顔にトラジションしていく演出が見事である。渥美清の顔は、実にご利益のありそうなありがたい「道祖神顔」である。

出演者[南無観世音寅地蔵尊]渥美清/[おさく]倍賞千恵子/[おさくの夫]前田吟/[おとっつぁん]吉田義夫/[借金取りのタコ兵衛]太宰久雄/[タコ兵衛借の子分]佐藤蛾次郎
覚醒後目が覚めるとそこはお寺の本堂の軒先。寅さんは軒先を借りたお礼に賽銭を入れるが、間違えて100円玉を入れてしまう。お釣りをくれ!を大騒ぎをしてしまいには賽銭箱をひっくり返す。
元ネタおとぎ話の笠地蔵
夢の長さ5分08秒(松竹ロゴから夢終了までの時間)
渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第23作・寅さんの夢【医学博士・寅、便秘薬を開発する】

第23作「男はつらいよ翔んでる寅次郎」の映画冒頭・寅さんの夢は、医学博士になり便秘薬を開発する夢。舞台は大正時代風の柴又帝釈天参道にある「柴又医学研究所」。ぼさぼさの白髪、瓶底眼鏡の医学博士・車寅次郎は、人類永遠の悩み・便秘を解消する新薬の開発に取り組んでいた。いもの煮っころがしを見た寅博士は「理論が分かった!博、このお芋の繊維がテェーマーだ!」と叫び、最後の仕上げに取り掛かる。早速、お芋の繊維とひまし油を調合するが、実験室はあえなく大爆発。「便秘の薬…便秘の薬…」。爆発でボロボロになった寅博士はうわごとを呟く。

出演者[医学博士・寅寅次郎]渥美清/[さくら]倍賞千恵子/[博]前田吟/[竜造]下條正巳/[つね]三崎千恵子/[借金取り]太宰久雄/[借金取りの子分]佐藤蛾次郎
覚醒後目が覚めるとそこは旅先の診療所。お通じの悪い寅さんは便秘薬を処方してもらい、その場で飲み込む。診療所を出て旅を続けようとすると、早速薬が効いてきて、寅さんは診療所に逆戻り。「すいません、ちょっと便所貸してください……」。
元ネタ不明
夢の長さ4分38秒(松竹ロゴから夢終了までの時間)
渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第24作・寅さんの夢【FBIから逃げるマドロス寅次郎】

第24作「男はつらいよ寅次郎春の夢」の映画冒頭・寅さんの夢は、FBIに追われるマドロスになる夢。舞台は1930年代のサンフランシスコ、チャイナタウン。マドロス姿の寅さんは酒場に逃げこみ、そこにいた日本人の女に「故郷の妹にこのお守りを渡してほしい」と託す。しかし、その女こそ寅さんが探す妹・さくらだった。そこに追手のFBI捜査官が現れてピストルを撃つが、間一髪で寅さんは助かり、妹・さくらとともに船で日本へと向かう。

出演者[車寅次郎]渥美清/[さくら]倍賞千恵子/[博]前田吟/[中国人・酒場のオーナー]太宰久雄/[FBI捜査官]ハーブ・エデルマン/[FBI捜査官の部下]佐藤蛾次郎/[酒場の女1(痩せたチャイナドレス)]谷よしの/[酒場の女2(Let’s go ?という女 )]秩父晴子/[酒場の女3(眼鏡)]後藤泰子
覚醒後目が覚めるとそこは渡し船の船上。居眠りしていた寅さんは座席から転げ落ち、周囲にいた地元民の乗客に笑われる。
元ネタ不明
夢の長さ5分04秒(松竹ロゴから夢終了までの時間)

第25作・寅さんの夢【ねずみ小僧・寅吉】

第25作「男はつらいよ寅次郎ハイビスカスの花」の映画冒頭・寅さんの夢は、ねずみ小僧・寅吉になる夢。舞台は江戸の夜。悪徳商人から金を盗み、貧しいものに分け与える義賊・ねずみ小僧寅吉は今夜も盗みを働いていた。寅吉は追手から逃れ、ある貧しい家に身を潜めると、そこには生き別れの妹・おさくが住んでいた。感動の再会も束の間、再び逃げ出した寅吉は屋根の上にのぼり、よく通る艶のある声で大見得を切った。「私、生まれも育ちも葛飾柴又です。帝釈天で産湯を使い姓は車、名は寅次郎。人呼んで、ねずみ小僧寅吉たぁ、俺がことよ!」。

出演者[ねずみ小僧・寅吉]渥美清/[おさく]倍賞千恵子/[おさくの夫]前田吟/[タコ兵衛]太宰久雄/[タコ兵衛の子分]佐藤蛾次郎/[町人たち]後藤やつこ・秩父晴子・高木信夫・土田桂司/[町方同心たち]笠井一彦・羽生明彦・木村賢治・篠原靖夫
覚醒後目が覚めるとそこは古い蔵の中。居眠りしていた寅さんは、子供たちの呼子笛と「御用だ!」の声で目を覚ます。大きなあくびをついて、寅さんは再び出かけていく。
元ネタねずみ小僧
夢の長さ6分00秒(松竹ロゴから夢終了までの時間)
渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第26作・寅さんの夢【村の娘に化けて、悪代官を懲らしめる】

第26作「男はつらいよ寅次郎かもめ歌」の映画冒頭・寅さんの夢は悪代官を懲らしめる夢。舞台は時代劇風のひなびた農村・柴又村。飢饉に苦しむ村人たちがお上に助けを乞うと、悪代官は「これは天狗の祟り、村一番の美しい娘を生贄にしろ」と言う。そこに通りすがりの旅人が現れ、村の娘・おさくの代わりに生贄になると申し出た。その夜、旅人が身を潜めていると、そこにやってきたのは天狗ではなく悪代官とその手下だった。旅人は見事な刀さばきで悪代官たちを懲らしめ、柴又村に平和を取り戻した。この旅人こそ、遠い昔に生き別れたおさくの兄・寅だった。

出演者[旅人・寅]渥美清/[おさく]倍賞千恵子/[博吉]前田吟/[おいちゃん]下條正巳/[おばちゃん]三崎千恵子/[悪代官]吉田義夫/[悪代官の手下]太宰久雄・佐藤蛾次郎/[柴又村の人々]秩父晴子・谷よしの・大杉侃二郎・加島潤・笠井一彦・羽生明彦・木村賢治 他
覚醒後目が覚めるとそこは旅先の川べり。寅さんが大きなあくびをして木の柱に寄り掛かろうとすると、柱が倒れて川に落ちてしまう。その横で釣りをしていた少年はすかさず「おっちゃんいらんことすな魚が逃げるわ!」と寅さんを叱った。
元ネタ不明
夢の長さ5分24秒(松竹ロゴから夢終了までの時間)
渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第27作・寅さんの夢【浦島寅次郎、竜宮城へ行く】

第27作「男はつらいよ浪花の恋の寅次郎」の映画冒頭・寅さんの夢は、浦島寅次郎となって竜宮城に行く夢。昔々、浦島寅次郎は助けた亀に連れられて竜宮城にやってきた。美しい乙姫(松坂慶子)とともに楽しい日々を過ごした寅次郎は故郷・柴又村に帰るが、そこには変わり果てた荒野が広がっていた。とらやのあった場所には妹・さくら、義理の弟・博によく似た夫婦が住んでいたが、寅次郎のことが誰だかわからない。絶望した寅次郎は玉手箱を開けると、中から飛び出した謎の煙がそばにいた亀吉(佐藤蛾次郎)にかかってしまい、亀吉はあっという間に歳を取り、ホラー映画のような姿になってしまった。

本作の夢シーンにおいて、タコ社長は文字通りタコを演じている。ピンク色のタコの着ぐるみを着てひとつのセリフもなく佇む姿に当時の劇場は大爆笑に包まれたことだろう。ちなみにタコ姿のタコ社長については、映画本編の中で、とらやに帰郷した寅さんも真っ先に話題にしている。なお、竜宮城で舞い踊る女たちは松竹歌劇団(SKD)が演じている。

出演者[浦島寅次郎]渥美清/[乙姫]松坂慶子/[さくら]倍賞千恵子/[博]前田吟/[竜宮城のタコ]太宰久雄/[亀吉]佐藤蛾次郎/[竜宮城の踊る女たち]松竹歌劇団
覚醒後目が覚めるとそこは旅先の水辺。地元の少年たちが亀をいじめている様子を見た寅さんは、その亀をお金で買い取り、湖に逃がしてやることにした。しかしその時、亀に指をかまれた寅さんは「噛みつきやがったこの恩知らず!あいたた!畜生!」と言って、亀を乱暴に放り投げてしまった。
元ネタおとぎ話「浦島太郎」
夢の長さ4分53秒(松竹ロゴから夢終了までの時間)
渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第28作・寅さんの夢【ノーベル賞受賞の医学博士になる】

第28作「男はつらいよ寅次郎紙風船」の映画冒頭・寅さんの夢は、ノーベル賞受賞の医学博士になる夢。料理番組の放送中に「今年度のノーベル医学賞は車寅次郎博士に決定した」と臨時ニュースが入る。すると場面は車総合病院に切り替わる。オペを終えたばかりの寅次郎博士にある女性が「子供の命を救ってください」と懇願する。その女性は車博士が学生の頃に別れた恋人だった。早速、子供のオペに取り掛かる車博士。額に汗をにじませながらオペを行うが、よく見ると手にしているのはナイフとフォークで、必死の形相でトンカツを切り分けていた。

出演者[医学博士・車寅次郎]渥美清/[病気の子供を持つ女性]音無美紀子/[さくら]倍賞千恵子/[博]前田吟/[看護婦]岸本加世子/[おいちゃん]下條正巳/[おばちゃん]三崎千恵子/[手術スタッフ]太宰久雄・佐藤蛾次郎・小川由夏・酒井栄子 他/[病院スタッフ]羽生明彦・木村賢治・篠原靖夫 他/[マスコミ]笠井一彦 他/[テレビ料理教室の司会者]高橋基子
覚醒後
目が覚めるとそこは旅先の食堂。寅さんはとんかつを肴に酒を呑んでいたらいつの間にか眠っていた。「釣りはいらないよ」。寅さんは勘定を払い、店を後にした。
元ネタ不明
夢の長さ4分31秒(松竹ロゴから夢終了までの時間)
渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第29作・寅さんの夢【旅の老絵師、ふすまに抜け雀を描く】

第29作「男はつらいよ寅次郎あじさいの恋」の映画冒頭・寅さんの夢は、旅の老絵師がふすまに雀の絵を描く夢。舞台は信濃国の貧しい農村。ある農夫の家に、旅の老人が一晩泊めてほしいと訪ねてくる。老人を哀れに思った夫婦は、自分たちが食べるはずの食事を老人に差し出す。もてなしに感激した老絵師は、お礼としてふすまに雀の絵を描いた。翌朝、夫婦が目覚めると、絵の雀がふすまを抜け出して生き生きと動き出した。その後夫婦はこの抜け雀を名物とした「すずめのお宿」という宿を開き、その後裕福に暮らしたという。めでたしめでたし。

静止画を使用したモンタージュ映像、実写とアニメーションの融合など、新たな映像手法にトライしている意欲的な夢シーンである。渥美清のナレーションももはや名人芸の域に。夢から覚めた直後、寅さんのドアップを省略していきなりタイトルバックを入れるなど、見どころの多い夢シーンである。吉岡秀隆は本作で夢シーンに初登場する。

出演者[旅の絵描き]渥美清/[農夫の妻]倍賞千恵子/[農夫]前田吟/[農夫の子供]吉岡秀隆
覚醒後夢が終わると踏切を電車が通りすぎる映像に変わり、やがてカメラがパンをして大きな湖を映す。そこにいきなりタイトルバックが現れ、オープニングテーマ曲が流れだす。本作は夢から覚めた瞬間の寅さんのドアップを省略した、珍しい夢明けである。
元ネタ落語「抜け雀」
夢の長さ5分45秒(松竹ロゴから夢終了までの時間)
渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第30作・寅さんの夢【ブルックリンの寅、ジュリーと対決】

第30作「男はつらいよ花も嵐も寅次郎」の映画冒頭・寅さんの夢は、ブルックリンの寅になる夢。舞台はアメリカはニューヨーク、ブルックリン。若者たちがダンスに興じる中、札つきのチンピラ・スケコマシのジュリーが颯爽と現れる。ジュリーは町の娘に声を掛けるが、その娘は「ブルックリンの寅」と恐れられた男の妹。そこにブルックリンの寅が現れると、ジュリーは迫力に気圧され逃亡していった。その直後、楽曲「桜咲く国」が流れ出し、夢シーンはミュージカル劇のグランドフィナーレのような大団円を迎える。

夢の中でジュリーが披露するのは持ち歌の「SCANDAL!!」(アルバム「JULIE SONG CALENDAR」収録)である。夢シーンとしては珍しく、御前様もキャストとして登場している。

出演者[ブルックリンの寅]渥美清/[ブルックリンの寅の妹]倍賞千恵子/[ブルックリンの町の人々]前田吟・下條正巳・三崎千恵子・太宰久雄・佐藤蛾次郎・吉岡秀隆・笠智衆/[ブルックリンの若者たち]松竹歌劇団
覚醒後目が覚めるとそこは旅先の神社。寅さんはお参りにきたおばあちゃんを手伝おうと鈴を鳴らすが、激しく打ち鳴らしたため鈴が壊れて落っこちてしまう。「神様、どうもすみませんでした」。あはは!と笑いあう寅さんとおばあちゃん。
元ネタ不明
夢の長さ5分50秒(松竹ロゴから夢終了までの時間)
渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第31作・寅さんの夢【舞台劇、柴又無宿人・寅吉】

第31作「男はつらいよ旅と女と寅次郎」の映画冒頭・寅さんの夢は、柴又無宿人・寅吉が主人公の舞台劇。時は天保8年。佐渡金山一揆の首謀者・寅吉は、幕府の追及を逃れて故郷の葛飾柴又に帰ってきた。妹・おさくに金塊を渡し、再び旅に出ようとした時、追手たちが寅吉を囲む。鮮やかな刀さばきで追手をやっつけた寅吉だったが、おさくの夫・博吉が岡っ引であることがわかると「お縄頂戴いたしやす」と両手を差し出して自分から捕まった。「あしたはきっと……いい天気だぜぇ」。寅吉が決めゼリフを言うと「車!」「大統領!」「日本一!」の掛け声が響きわたる。

寅さんの夢を一つの舞台劇として見せている意欲的な夢シーン。舞台、セット、照明、メイク、衣装がすべて本物の舞台劇のようだ。劇の展開にあわせてカメラアングルだけが自在に切り替わることで、映画ならではの臨場感とダイナミズムが生まれている。

出演者[柴又無宿人・寅吉]渥美清/[おさく]倍賞千恵子/[岡っ引 博吉]前田吟/[おいちゃん]下條正巳/[おばちゃん]三崎千恵子/[定吉]吉岡秀隆/[同心 タコ野郎]太宰久雄/[下っ匹 源の字]佐藤蛾次郎
覚醒後旅先の峠の茶屋で昼寝していた寅さん。チンドン屋(関敬六)の声掛けで目を覚ますと、夢の中のなごりで言葉遣いが古めかしい時代劇になってしまう。「御大切な荷物をまっぴら失礼さんでござんす」「道中お気をつけなすっておくんなさいませ」。チンドン屋一行は去り際に「何だろあの人?」「時代遅れよ」とつぶやいた。
元ネタ大衆演劇の時代劇
夢の長さ6分45秒(松竹ロゴから夢終了までの時間)
渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第32作・寅さんの夢【ニセ寅次郎に花嫁を奪われる】

第32作「男はつらいよ口笛を吹く寅次郎」の映画冒頭・寅さんの夢は、ニセ車寅次郎に花嫁を奪われる夢。真っ赤な夕焼けに染まる土手に佇む寅さん。懐かしい故郷のとらやの中をのぞいてみると、家族たちが新しく迎え入れる寅さんの花嫁について楽し気に話していた。その時、軒先にニセ車寅次郎(レオナルド熊)が現れると、家族たちは大歓迎。「お兄ちゃん、お嫁さんが決まったのよ!」。さくらがそう声をかけると花嫁がとらやにやってきた。花嫁を奪われそうになった本物の寅さんは焦り、「おい!違う違う、だまされてるぞ!」と呼びかけるが、足を取られてうまく動けない……。

本作は久しぶりにパロディやオマージュではない寅さんの夢シーンから始まる。映画をリアルタイムに劇場で見た観客たちは、「お?今回の寅さんはいつもと違うぞ……何かが起きるのか?」と思ったことだろう。しかしこれはフェイントで、結局いつも通りの展開になる。

出演者[車寅次郎]渥美清/[さくら]倍賞千恵子/[博]前田吟/[おいちゃん]下條正巳/[おばちゃん]三崎千恵子/[タコ社長]太宰久雄/[ニセ車寅次郎]レオナルド熊/[夢の中のお嫁さんの写真]竹下景子/[夢の中のお嫁さん]川井みどり/[夢の中のお嫁さんの付き添い]露木幸次
覚醒後目が覚めるとそこは電車の中。うなされていた寅さんは、夢の中のニセ車寅次郎にそっくりな労働者に声を掛けられて目を覚ました。その後、労働者の子供をあやす寅さん。
元ネタ不明
夢の長さ2分50秒(松竹ロゴから夢終了までの時間)
渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第33作・寅さんの夢【復讐に燃える寅さん、マフィアをボコボコに】

第33作「男はつらいよ夜霧にむせぶ寅次郎」の映画冒頭・寅さんの夢は、復讐に燃える寅さんがマフィアたちをボコボコにする夢。舞台は夜霧にけぶる港。マフィアに肉親を殺された寅さんは、復讐の鬼となり、たった一人でマフィアがたむろするバーに乗り込んだ。その後、寅さんは10人以上いるマフィアたちを激しいアクションでボコボコにし、最後にはピストルでマフィアのボスを撃ち殺す。寅さんはマフィアのボスに撃たれた女・マリーを抱きかかえながら、夜霧の中に消えていった。

マフィアをボコボコにするアクションシーンは当然代役が演じているが、寅さんが本当にこんなに強かったらと笑ってしまう。夢の中でマリーが歌う楽曲は、中原理恵「千年接吻」(1984年7月発表)。

出演者[車寅次郎]渥美清/[歌う女・マリー]中原理恵/[復讐相手のボス]渡瀬恒彦/[バーテン]太宰久雄/[ボスの子分・源ちゃん]佐藤蛾次郎/[ボスのテーブルに座る女]マキノ佐代子/[ウェイター]笠井一彦 他
覚醒後目が覚めるとそこは旅先の寺の鐘楼。近くでおばあちゃんが焚いた焚火の煙にむせた寅さんは、「焚火なんかするなよおばさん。あ~煙い。タヌキだったらお前、ケツからシッポが出ちゃうとこだいこら」とぼやいた。
元ネタ不明
夢の長さ5分36秒(松竹ロゴから夢終了までの時間)
渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第34作・寅さんの夢【宇宙大怪獣ギララ現る!】

第34作「男はつらいよ寅次郎真実一路」の映画冒頭・寅さんの夢は、宇宙大怪獣ギララが出現する夢。平和な日本に突如として宇宙大怪獣ギララが出現、街を破壊し人々をパニックに陥れた。この危機を救えるのは、偉大なる預言者・車寅次郎博士ただ一人。ギララがいよいよ筑波山にある寅次郎博士の研究所に接近すると、寅次郎博士は立ち上がりお守りをかざす。するとそこから謎のレーザーが発射されギララを直撃する。ギララは「トーラーサーン!」と悲し気な唸り声を上げて弱っていった……。

「宇宙大怪獣ギララ」は1967年公開の怪獣映画。当時の日本は怪獣映画が一代ブームになっており、松竹も大真面目にギララを製作した。それから数十年後、寅さんシリーズでギララがこんなイジられ方をするとは誰も予想できなかっただろう。ちなみに、映画挿入歌の「月と星のバラード」は倍賞千恵子が歌っている。

出演者[車寅次郎博士]渥美清/[さくら]倍賞千恵子/[研究者]前田吟/[内閣総理大臣]太宰久雄/[官房長官]佐藤蛾次郎/[ナレーション]レオナルド熊
覚醒後目が覚めるとそこは薩摩湖(鹿児島県日置市)の湖畔に立つ食堂。小上がりで昼寝をしていた寅さんは、怪獣のマスクをかぶった子供に驚かされて飛び起きた。食堂を出るとテキ屋仲間のポンシュウが車で寅さんを迎えに来る。車に乗り込んで旅を続ける寅さん。
元ネタ映画「宇宙大怪獣ギララ」(1967年)
夢の長さ6分30秒(松竹ロゴから夢終了までの時間)
渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第35作・寅さんの夢【柴又国の姥捨て山】

第35作「男はつらいよ寅次郎恋愛塾」の映画冒頭・寅さんの夢は、昔話の姥捨ものがたり(姥捨て山)。昔々、柴又国の国主は役に立たない年寄りを山に捨てる御触れを出した。寅吉とその家族は、御触れに従い、年老いた両親を姥捨て山に捨てに行こうとしている。両親たちの最後の晩餐が終わり、寅吉はいよいよ背負子に母を乗せて出かけようとするが、母が重くて立ち上がれない。家族一同は寅吉を助けようとするが、後ろにのけぞった寅次郎に巻き込まれて全員ズッコケてしまう。最後に「チャンチャン!」と音楽が鳴り、寅さんの夢は唐突に終了する。

出演者[寅吉]渥美清/[さくら]倍賞千恵子/[博]前田吟/[満男]吉岡秀隆/[おいちゃん]下條正巳/[おばちゃん]三崎千恵子/[ご近所1]太宰久雄/[ご近所1の妻]関敬六/[ご近所2]佐藤蛾次郎
覚醒後目が覚めるとそこは上田電鉄別所線の舞田駅。物売りのおばちゃんの荷物にもたれかかって寝ていた寅さんは、おばちゃんに「電車来るよ」と起こされた。目覚めた寅さんが「ア~ハッ、ア~ハッ」とストレッチしていると、ホームにクハ252車両が到着し、寅さんは電車に乗り込もうとする。
元ネタ昔話の「姥捨て山」
夢の長さ2分51秒(松竹ロゴから夢終了までの時間)
渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第36作・寅さんの夢【寅さん、日本人初の宇宙飛行士になる】

第36作「男はつらいよ柴又より愛をこめて」の映画冒頭・寅さんの夢は、寅さんが宇宙飛行士になり宇宙へと旅立つ夢。舞台はアメリカのケネディ宇宙センター。寅さんは「最も日本人らしい日本人」であるという理由で日本人初の宇宙飛行士に選ばれた。まもなくロケットの発射時刻になるが、寅さんは緊張と恐怖で尿意が収まらず、土壇場になってロケットに乗りたくないと言い出す。痺れを切らしたNASAスタッフは、寅さんを無理やりロケットに乗せて発射のカウントダウンを始めた。パニックに陥った寅さんは「ウワッ!ワーオ!ウワーオ!」「ちびっちゃう、ちびっちゃう、ああ小便垂れちゃう」と叫びながら宇宙へと旅立っていく……。

本作公開の数カ月前の1985年8月7日、初めての日本人宇宙飛行士3人が選ばれた(毛利衛氏、内藤(現・向井)千秋氏、土井隆雄氏)。本作の夢シーンはこの出来事を反映したもの。

出演者[車寅次郎]渥美清/[さくら]倍賞千恵子/[博]前田吟/[テレビ中継のレポーター]松居直美/[NASAのつなぎ服を着た外国人]レオ・メンゲッティ 他
覚醒後目が覚めるとそこは国鉄只見線の会津高田駅。夢でうなされていた寅さんは、そばにいた学生たちの集団に大いに心配される。我に返った寅さんは、自分が尿を漏らしていないか気になり、股間のあたりを隠しながら駅のトイレへと猛ダッシュしていった。
元ネタ不明
夢の長さ4分40秒(松竹ロゴから夢終了までの時間)
渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第37作・寅さんの夢【寅さん、幸福の青い鳥を追いかける】

第37作「男はつらいよ幸福の青い鳥」の映画冒頭・寅さんの夢は、幸福の青い鳥を追いかける夢。舞台は薄暗く草木が枯れ果てた山の中。寅さんとさくら、博、満男、源公たちは、捕まえれば必ず幸せになれるという青い鳥をもう半年間も追い続けていた。苦労の末、ようやく青い鳥を捕まえると、道の先が美しい花々と緑に囲まれた天国のような場所に続いていた。「さあ、行こう。俺たちの新しい住むところへ」。晴れ晴れとした気持ちで道を進む寅さんだったが、その後を列車の車掌が追いかけて声を掛けた。「お客さん、恐れ入りますが乗車券を拝見いたします。お客さん……お客さん……」。

出演者[車寅次郎]渥美清/[諏訪さくら]倍賞千恵子/[諏訪博]前田吟/[諏訪満男]吉岡秀隆/[源公]佐藤蛾次郎/[車掌]イッセー尾形
覚醒後目が覚めるとそこは電車の中。寅さんは切符を確認しようとする車掌の声掛けで目が覚めた。寅さんが割増運賃を支払うと車掌がお釣りを返してきたので、寅さんは「ほんの気持ちだ。取っといてくれ」と言ってお釣りをあげようとする。しかし、車掌が断固受け取らないため、怒った寅さんは車掌を追いかけてひと暴れした。
元ネタメーテルリンクの童話劇「青い鳥」
夢の長さ4分41秒(松竹ロゴから夢終了までの時間)
渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第38作・寅さんの夢【なし】

第38作「男はつらいよ知床慕情」寅さんの夢シーンはない。「みちのくの小京都」と呼ばれる秋田県角館の満開の桜を映しながら、桜にまつわる思い出話を寅さんが語るオープニングだ。寅さんは16歳の春に父親と大喧嘩をして家出したが、その時、江戸川土手には桜が咲き乱れており、寅次郎少年は涙をこぼしながら「これで見納めか」と思ったという。冒頭に引用される句「さまざまのこと思ひ出す桜かな」は松尾芭蕉の作品。

第9作「柴又慕情」から29作品連続で続いてきた、シリーズ盤石のお約束「寅さんの夢」が本作でいきなり途絶えたことで、当時の観客は「今回の寅さんは何かが起きる!」と大いに身構えたことだろう。しかし、これはフェイントで、本作の寅さんは清々しいまでにいつも通りの寅さんである。

渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第39作・寅さんの夢【少年時代の寅さん、初めての家出をする】

第39作「男はつらいよ寅次郎物語」の映画冒頭・寅さんの夢は、少年時代の寅さんが初めて家出をした時の夢。舞台は寅さんが少年の頃の葛飾柴又。寅さんは父・平造から「他人様の物に手なんかつけやがって!」と折檻されて、初めての家出を決意する。寅さんは後を追いかけてきたさくらに「いつか偉い人間になって帰ってくるからな」と言うと、一人旅立っていった。夢のナレーションをしていた寅さんは「情けねぇ話よ。考えてみりゃ、今でもあの時と同じようなことやってるんだ……」と嘆く。

出演者[ナレーション・車寅次郎]渥美清/[幼少期の車寅次郎]不明/[幼少期のさくら]不明/[車平造]不明/[寅次郎の育ての母親]不明
覚醒後目が覚めるとそこは関東鉄道常総線・中妻駅の待合所。「おにーちゃーん!お母ちゃんが呼んでるよー!」。寅さんは小さな女の子が兄を呼ぶ声で目を覚ました。駅員が電車の到着を告げ、寅さんは電車に乗るためホームに向かう。
元ネタ不明
夢の長さ2分08秒(松竹ロゴから夢終了までの時間)
渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第40作・寅さんの夢【なし】

第40作「男はつらいよ寅次郎サラダ記念日」寅さんの夢シーンはない。寅さんは、JR小海線・佐久広瀬駅を出発した列車から景色を眺めつつ、スルメを肴に日本酒をちびちびとやっていた。そして、寅さんは心の中で故郷の妹・さくらに向けて語り掛けた。“甥の満男が正直で、働き者で、周囲から慕われる人間になることを祈っている”と。オープニングのオチは、乗車券の確認をする車掌(武野功雄)に手にしていたスルメに鋏を入れられてしまう、というもの。

渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第41作・寅さんの夢【なし】

第41作「男はつらいよ寅次郎心の旅路」寅さんの夢シーンはない。宮城県本吉郡志津川町(封筒にこのように書いてある)の旅館・松風館に滞在する寅さんの元に、さくらから手紙が届くというオープニングだ。手紙を読み終えた寅さんが封筒の中を覗くとそこには1万円札が入っており、それを見たポンシュウ(関敬六)はすかさず酒が飲める!と手を出そうとした。しかし、寅さんはその手をピシャリとはたき、「堅気の女が汗水垂らして働いた金だぞ?てめえらみたいなやくざもんの酒代にしてたまるか!」と一喝した。

このシーンで寅さんのテキヤ仲間を演じているのは、寅さんの付き人だった篠原靖治と、若き日の出川哲郎。寅さんに風邪薬を運ぶのは、寅さんシリーズ各作品にチョイ役で出演している大部屋女優の谷よしのである。ちなみに、普通郵便で現金を送るのは郵便法第17条で禁じられているのでご注意を。

渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第42作・寅さんの夢【なし】

第42作「男はつらいよぼくの伯父さん」寅さんの夢シーンはない。JR東日本・水郡線に乗っていた寅さんは、お年寄り(イッセー尾形)に席を譲らない男子学生2人組に説教をして席を立たせる。寅さんは「おじいさん、席が空いたよ」とお年寄りに座るよう促すが、「俺はじいさんと呼ばれるほどの年寄りでねえ!」と断られてしまう。カッときた寅さんは「座れよ!」といってお年寄りを突き飛ばし、二人は取っ組み合いの喧嘩を始める。男子学生2人組は「やめろよいい歳こいて!」「みんなの迷惑じゃんかよ!」と仲裁に入り、いつのまにか寅さんと立場が逆転してしまう。

このオープニングシーンのナレーションは満男の独り語り。「僕は近頃、なぜかこの人に魅力を感じるんだ」と寅さんへのほのかな憧れ、尊敬の念が芽生え始めていることを独白している。

渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第43作・寅さんの夢【平安時代の貴族・車小路寅麿】

第43作「男はつらいよ寅次郎の休日」の映画冒頭・寅さんの夢は、平安時代の貴族・車小路寅麿(くるまこうじとらまろ)になり、妹・桜式部(さくらしきぶ)に再会する夢。月の夜、寅麿が故郷を思いながら歌を詠んでいると、そこに一人の女の旅人がやってくる。女は、武蔵国葛飾郡柴又村の生まれで、名を桜式部と言った。もしやと思った寅麿が、「そなた、麿のこの面差しに、見覚えありやなしや?」と呼びかけると、桜式部は「お兄ちゃん!」と声を上げ、二人は涙の再会を果たした。

4作ぶりに復活した寅さんの夢。夢シーンにしては随分ゆったりとしたテンポで進むが、渥美清(当時62歳)、倍賞千恵子(当時49歳)の年齢を考えると、このぐらいのテンポがちょうど良かったのかもしれない。

出演者[車小路寅麿(くるまこうじとらまろ)]渥美清/[桜式部(さくらしきぶ)]倍賞千恵子/[賤の男(しずのお)]佐藤蛾次郎
覚醒後目が覚めるとそこは大分県日田市の小鹿田焼(おんたやき)の窯元。唐臼の音が響きわたる縁側で昼寝をしていた寅さんは、家の主にお礼を言って再び旅を続けた。
元ネタ不明
夢の長さ4分57秒(松竹ロゴから夢終了までの時間)
渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第44作・寅さんの夢【なし】

第44作「男はつらいよ寅次郎の告白」に寅さんの夢シーンはない。岐阜県中津川市を旅する寅さんは、木曽川の美しい流れを見ているうちに、故郷にいる家族のことを思い出していた。寅さんは江戸川のほとりに生まれ、川で遊び、川を眺めながら育った。そのため、旅先できれいな川に出会うとつい物悲しい気持ちになって川を眺めてしまうのだ。

第1作のオープニングを彷彿とさせる寅次郎のモノローグだが、語り口調は抑制的で、第1作と印象が大きく異なる。

渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第45作・寅さんの夢【柔術の達人・車寅次郎、満男と泉を救う】

第45作「男はつらいよ寅次郎の青春」の映画冒頭・寅さんの夢は、柔術の達人となって満男と泉を救う夢。舞台は明治時代の東京。呉服屋の娘・泉は、親が決めた結婚に反発して相思相愛の満男と一緒に駆け落ちする。二人は追手から逃れるため、伯父の文学博士・車寅次郎の家に逃げ込む。講道館八段の段位を持つ柔術の達人・寅次郎博士は、屈強な追手たちを次々と川に投げ飛ばし、満男と泉の駆け落ちを助けるのであった……。本作を持って、映画冒頭・寅さんの夢は最終回となる。

第45作のオープニングクレジットには、「凝斗(ぎょうと):インフィニティプロモーション」の表記があるが、夢シーンの格闘を演出したのがこのインフィニティプロモーションだろう。後藤久美子は本作で寅さんの夢に初出演を果たす。

出演者[文学博士 車寅次郎]渥美清/[呉服屋 伊勢屋の娘 泉]後藤久美子/[甥の満男]吉岡秀隆/[車夫]佐藤蛾次郎/[弁士]神田山裕 他
覚醒後目が覚めるとそこは宮崎県宮崎市の観光名所・鬼の洗濯岩。寅さんは相棒のポンシュウが「おじさーん」と叫ぶ声で夢から覚めた。「はあ~夢か……」。寅さんは満足そうな微笑みを浮かべ、大きく伸びをして景色を眺めた。
元ネタ不明
夢の長さ4分30秒(松竹ロゴから夢終了までの時間)
渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第46作・寅さんの夢【なし】

第46作「男はつらいよ寅次郎の縁談」に寅さんの夢シーンはない。栃木県那須鳥山市を旅する寅さんは、花嫁行列の一団に出会うと、花嫁に祝いの声を掛けた。その後、相棒のポンシュウに「お前のカミさんは幸せにやってんのか?」と問うと、ポンシュウは「ああ……あれ、若いのと取り替えちゃったよ」と答える。呆れた寅さんは、「ツラも見たかねぇな。とっとと消えて無くなれ」と言ってポンシュウを小突いた。

花嫁の父親は、後期寅さんシリーズの常連・すまけいが演じ、花嫁の母親は、後期寅さんシリーズの脇役・チョイ役でおなじみの川井みどりが演じている。

渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第47作・寅さんの夢【なし】

第47作「男はつらいよ拝啓車寅次郎様」に寅さんの夢シーンはない。新潟県上越市の雁木通り商店街を歩く寅さんは、レコード屋の軒先で新曲「あれから一年たちました」のプロモーションに精を出す歌手・小林さち子(小林幸子)を見かける。寅さんは彼女に声を掛けた。「あんたの歌とっても良かったよ。俺、商売柄人相見るんだけどね、この目と目の間の印堂っていうか、ここがとってもいい輝きがあんだあんたね~。ああ、大器晩成型だな。これから良いことがいっぱいあるよ。希望を捨てずに頑張んなよ」。

その後、小林さち子は作品のラストシーンに再登場。寅さんの予言が的中し、自分の歌「おもいで酒」がヒットしたことを報告した。

渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第48作・寅さんの夢【なし】

第48作「男はつらいよ寅次郎紅の花」に寅さんの夢シーンはない。相棒のポンシュウとともに岡山県津山市の美作滝尾(みまさかたきお)駅にたどり着いた寅さん。駅のホームで、竿の先に止まるとんぼを捕まえようするが、あえなく失敗。桜井センリ演じる駅の係員に向かって「逃げちゃった」と照れ笑いをした。

渥美清存命中の「男はつらいよ」シリーズ、最後のアヴァンタイトルがこのシーン。初老を通り越し、すっかりおじいちゃんになってしまった渥美清の登場にショックを受けたファンも多かったことだろう。この頃、渥美清のガンは深刻なレベルにまで進んでおり、とてもコミカルな演技ができる状態ではなかったという。

渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第49作・寅さんの夢【なし】

第49作「男はつらいよ寅次郎ハイビスカスの花【特別篇】」は、渥美清死去の翌年に公開されたトリビュート作品。第25作「男はつらいよ寅次郎ハイビスカスの花」をベースに、映画冒頭とラストシーンに撮り下ろし映像が加えられている。

第25作には冒頭夢シーンとして「ねずみ小僧・寅吉」の活躍があったが、特別編ではこの夢シーンが丸々カットされ、寅さんを偲ぶ満男のモノローグに差し替えられている。この満男モノローグにおいて苦笑してしまうのが、当時「最先端のCG技術」の触れ込みで合成された寅さんの姿だ。不二家のペコちゃんのように顔だけがゆらゆら動き、「お~い、みつお~」と不気味に動く寅さんの姿はホラーとしか言いようがない。

渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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