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寅さん全作品解説/第2作『続・男はつらいよ』(1969年11月)

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本作をひとことで言うと

寅さん、生き別れの母に会う

母への思い、恩師の薫陶など、普遍性のあるテーマで穏やかな感動を呼ぶ良質人情喜劇。佐藤オリエ演じる親しみのあるマドンナが作品の温かな雰囲気に大きく貢献している。「さしづめインテリ」の名言を生み出した渥美の演技は本作も絶好調で、ミヤコ蝶々、東野英治郎ら芸達者達とのバトルが楽しめる。

マドンナ

佐藤 オリエ(当時 26歳)

役名:坪内夏子
職業:音楽家(チェロ奏者)

第2作の温かな雰囲気はマドンナ・佐藤オリエによるところが大きい。寅さんへの接し方はまるでわが子に対する母親のようである。全48作品中最も母性を感じさせるマドンナといってもいいかもしれない。佐藤オリエはテレビドラマ版「男はつらいよ」でもマドンナを演じていた。

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第2作「続・男はつらいよ」作品解説

「瞼の母」をテーマに、温かく穏やかな感動を呼び起こす良質喜劇

第1作「男はつらいよ」は54万人の観客動員を記録し、当時の松竹としてはそこそこのヒットになったという。(参考:「おかしな男」小林信彦 286P)ちなみに、その年の邦画1位は石原裕次郎主演「栄光の5000キロ」で動員300万人、興収12億円だ。

第1作の成績を受けて松竹は続編の製作を決定する。「男はつらいよ」はこうしてシリーズ化の道を歩むことになるのだが、驚くべきはそのスケジュール。第1作は1969年8月27日公開。第2作はなんと3か月後の11月15日に公開されるのだ。現代の映画事情からは考えられない製作ペースである。

本作の寅さんは、幼い頃に生き別れとなった母や、かつてやんちゃを叱られた懐かしい恩師に再会する。これらのエピソードは元々テレビドラマ版「男はつらいよ」にあったもので、山田洋次はドラマのストーリーを映画用に再構成することで短い製作期間の問題をうまくクリアしている。

舞台となる葛飾柴又は昭和の面影を色濃く残した未開発の風景。幼なじみであるマドンナ(佐藤オリエ)は母性たっぷりに寅次郎を「寅ちゃん♪」と呼ぶ。幼き日々の懐かしい思い出を想起させる設定が満載で、シリーズ48作中最も子供のような寅次郎が楽しめる作品だ。

渥美清の演技は本作でも絶好調。後期作品では絶対に見られない体を張ったドタバタをいくつか披露している。サッカーボールを蹴ろうとしておもいっきり空振り転倒するなど、よく見るとかなり痛そうな芝居にも意欲的に取り組む。

母親役のミヤコ蝶々との演技では、自分の演技を思いっきりぶつけられる安心感からか、他のシーンに比べて熱演度が1.5倍増し。東野英治郎との芝居がかった師弟関係のシーンも、東野のどっしりとした演技にぶつかり稽古で挑んでいる。今では名優の誉れ高い山崎努も寅さんの恋敵役で出演しているが、ミヤコ・東野の重鎮二人に比べるとどうしても存在が軽く見えてしまうほどだ。本作は芸達者達の演技バトルを十分に堪能できる作品でもある。

第1作と本作の大きな違いは作品全体を貫くテーマの有無にある。本作は冒頭夢のシーンで明らかなように、寅さんの「母に会いたい」という願いが作品の主題になっている。母を求める寅さんの奮闘努力はラストシーンでいよいよ実を結び、我々観客はこの時感動のピークを迎える。一方、第1作の寅さんは憧れの故郷にたどり着いたオープニングですでに願いを叶えてしまうため、物語終盤に向けて積み上げていくような感動に乏しかった。本作が第1作と違い、ゆったりとした情感豊かな喜劇作品に仕上がったのはここに理由がある。

渥美清 (出演), 倍賞千恵子 (出演), 山田洋次 (監督)
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第2作「男はつらいよ」作品データ

公開1969年(昭和44年)11月15日
上映時間93分
マドンナ佐藤オリエ(当時26歳)
ゲスト出演者東野英治郎 ミヤコ蝶々 山崎努
主なロケ地東京都・京都府
内容寅さんは恩師・散歩先生の薫陶を受けて、幼い頃に生き別れた母・お菊に会いに行く。幼馴染のマドンナ夏子に恋をするが、夏子には結婚を約束した相手がすでにおり失恋してしまう。そして寅さんはまた旅に出た。
観客動員数48万9,000人 (第47位/全48作中)
『男はつらいよ』寅さん読本/寅さん倶楽部[編]より
同時上映喜劇・よさこい旅行(フランキー堺)
洋題Tora-san’s Cherished Mother
主な出演者【車寅次郎】渥美清
【諏訪さくら】倍賞千恵子
【散歩先生】東野英治郎
【坪内夏子】佐藤オリエ
【お菊】ミヤコ蝶々
【藤村薫】山崎努
【お澄】風見章子
【車竜造】森川信
【車つね】三崎千恵子
【諏訪博】前田吟
【川又登】津坂匡章
【御前様】笠智衆
【源吉】佐藤蛾次郎
【桂梅太郎】太宰久雄

第2作「続・男はつらいよ」ロケ地

主要なロケ地:東京都・奈良県・京都府

オープニングから葛飾を旅立つまで

  • 三重県 伊賀市 柘植駅
    • 寅さん、旅館で夢から覚める
  • 東京都 葛飾区 江戸川土手~帝釈天参道
    • 寅さん、帰郷する
  • 東京都 葛飾区 東金町
    • 寅さん、散歩先生の家を見つける
  • 東京都 葛飾区 金町 金町中央病院
    • 寅さんの入院先の病院
  • ?? テレビ局 外観
    • マドンナ夏子がレコーディングに参加
  • 東京都 葛飾区 立石 本田警察署(現在は葛飾警察署に改称)
    • 寅さん、無銭飲食の疑いで勾留される

京都でマドンナと母親探し

  • 京都府 京都市 東山区 清水寺
  • 京都府 京都市 左京区 哲学の道
    • 散歩先生とマドンナ夏子が観光
  • 京都府 京都市 右京区 渡月橋交差点付近
    • 寅さん、易本を売る
  • 京都府 京都市 右京区 渡月橋交差点付近 琴きき茶屋
    • 寅さんとマドンナ夏子、源公がお茶をする
  • 京都府 京都市 東山区 大和大路通四条下る小松町 大中院付近
    • 寅さんとマドンナ夏子がお菊のホテルを探す
  • 京都府 京都市 東山区 東大路松原上る四丁目毘沙門町
    • お菊が経営するホテル「グランドホテル 仏蘭西ハイツ」

寅さん、傷心状態で再び柴又へ

  • 東京都 葛飾区 東金町 高級純喫茶スカイラーク
    • マドンナ夏子と医師・藤村のデート
  • ???
    • 寅さんと源公が夜の神社?で商売
  • 東京都 葛飾区 東金町 葛西神社前
    • 散歩先生の出棺シーン

ラストシーン

  • 京都府 京都市 中京区 三条大橋付近
    • 寅さんと母・お菊が一緒のところをマドンナ夏子が見守る
ロケ地の参考文献

「男はつらいよ」全作品解説リンク

  1. 子役はつらいよ!?前田吟が明かした映画「男はつらいよ」の撮影秘話 | アサ芸プラス (asagei.com) ↩︎
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