『「男はつらいよ」寅さんロケ地ガイド』/「男はつらいよ 寅さんDVDマガジン」編集グループ

本書は『男はつらいよ 寅さんDVDマガジン』に連載されていた「ロケ地を歩こう」を再編集して一冊にまとめたもの。手のひらに収まるお手頃サイズなので、ガイドブックとして機能的であり、かつ、パラパラとめくるだけでも旅情誘われる楽しい一冊だ。

ロケ地は、作品タイトルだけでなく、北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国・九州・沖縄のエリア別からも検索でき、都道府県ごとに集約して紹介されている。(当然ながら、ウィーンもある!)

この都道府県ごとのロケ地集約は、寅さんファンには嬉しい。たとえば北海道には、『望郷篇』『忘れな草』『相合い傘』『翔んでる寅次郎』『かもめ歌』『知床慕情』『夜霧にむせぶ寅次郎』と7作品ものロケ地があるので、一度の遠征(巡礼?)で多くのロケ地を一網打尽したいファンのニーズにばっちり応えている。

ロケ地だけでなく、撮影隊が休憩に使用したお店などのスポットも選定されているので(店内に飾られている渥美清のサインなどの写真も掲載されている)、ロケ地巡りで疲れた時の休憩ポイント探しにも困らないだろう。

このように、本書はただの企画本ではなく、徹底的に”使える”高機能なロケ地ガイドブックとして製作されている。なんの計画も無くふらりと出かけても、地元のタクシー運ちゃんにこの本を見せれば、どうしたってロケ地にたどり着けるほど、充実した情報が掲載されている。

ここまでの完成度に至ったのは、やはり、編集グループの男はつらいよへの溢れる愛情があったからこそだろう。たとえば、ロケ地へのアクセス方法が記されているページには、こんな注釈がある。

ご紹介するアクセスは、『男はつらいよ』シリーズでの旅に倣って、飛行機、新幹線、有料特急、高速艇、マイカーなどよりも、在来線の快速列車や普通列車、路線バス、フェリーを使うルートを優先してご紹介しています(188p)

利便性よりも寅さんイズムを重視する、編集グループの心意気に脱帽である。

      2016/05/31

 - 男はつらいよ書籍紹介