寅さんのホームタウン、葛飾柴又の帝釈天境内には「寅さんおみくじ」がある。
筆者は、柴又への聖地巡礼は年一くらいのペースでちょくちょく行っているが、2013年の年始には「寅さんおみくじ」はなかったので、その後に導入されたのであろう。
おみくじ筐体にはペラペラのラミネ加工のPOPが貼られており、「おみくじの運勢なんて信じない?それを言っちゃ、おしまいよ。」「寅さんのこころに残る言葉 全48種類」との惹句が書いてある。
おみくじ料200円を入れてボタンを押すと、「♪チャ~チャララララララララ~」とおなじみ寅さんのテーマソングが流れだす。おお電子だ!今の世の中なんたって電子ですからね(©寅さん)。
そして電子の力によってポコンとひり出されたおみくじを開いてみるとでっかく「中吉」の文字。そのあとすぐに寅さんのありがたいお言葉が続く。
労働者諸君!
今日も一日、
ご苦労様でした。
だが、明日はきっと、
からっと晴れた、
いい日曜日だぞ。第9作『柴又慕情』より
「中吉」のテンションにふさわしい寅先生のありがたいお言葉である。「寅さんおみくじ」っぽいのはこのくらいで、後は「柴又帝釈天からの教え」ということで、「健康」「恋愛」「金運」など一般的なおみくじと同じ内容が続く。
聖地巡礼として柴又帝釈天に向かう寅さんファンであれば、この「寅さんおみくじ」は外せないイベントといえるだろう。
さて、この「寅さんおみくじ」ひとつだけ困るのは、おみくじを引く引かぬにかかわらず、筐体が寅さんのテーマ曲をエンドレスに流し続けること。最初のうちこそ「寅さんだあ!」とテンションが上がるものの、その後もずっと30秒間隔ほどでテーマ曲を繰り返すので、4~5回聞くとさすがにもういいよ感がでてくる。風情もへったくれもない。
もし私が源ちゃんのような寺男だったら、これだけ寅さんのテーマをエンドレス再生されたら、さすがに数日で気が狂うんじゃないかと思った次第である。