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渥美清に捧ぐ、吉岡秀隆のアカデミー賞受賞時の感動スピーチ

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吉岡秀隆は、第27作『男はつらいよ浪花の恋の寅次郎』で渥美清と共演を開始して以来、渥美清が他界するまで寅さん21作品において共演を続けてきた。

11歳から25歳までの多感な時期を、映画スターとして完成された渥美清と過ごしたことは、彼の俳優人生にとても大きな影響を与えたと思われる。

彼は日本アカデミー賞・最優秀主演男優賞を初めて受賞した際に、受賞スピーチで渥美清への感謝の言葉を述べている。受賞作品は2006年『ALWAYS三丁目の夕日』。訥々とした語り口ながら、実に感動的な受賞スピーチである。

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吉岡秀隆の第29回アカデミー賞受賞時のスピーチ(2006年)

本当に、ありがとうございます。あの、本当に、いい作品ができればっていう、それだけだったので、本当に、本当に嬉しいです。

この映画にかかわる全ての人と、そしてそのご家族の方に感謝したいと思います。

そして、いつももう、なんていうか、もう芝居なんかやだなあとか、今日は撮影現場に行きたくないなあっていうふうに思うとき、必ず僕の胸に笑顔であらわれてくれる、天国にいる渥美清さんに、本当にお礼を言いたいです。

どうもありがとうございました。

2006年 第29回日本アカデミー賞受賞式より

「男はつらいよ」撮影の合間には、吉岡秀隆と渥美清の間に様々な会話があったようである。2人の交流については、倍賞千恵子著『お兄ちゃん』(廣済堂出版)の中に少し記述がある。

ヒデは渥美さんとの芝居を重ねているうちに、渥美さんのすばらしさをたくさんもらったようでした。

「いつもどんな話してるの」って聞いたら、ヒデはちょっと困ったような顔をして、「お嫁さんは芸能界以外で探せって」

思わず笑ってしまいました。

「お兄ちゃん」/倍賞千恵子

結婚については渥美清の教えを守らず苦労をしたようであるが、本当の伯父と甥っ子のような会話を通して、また、病魔と闘いながら最期まで車寅次郎を演じつづけた渥美清の背中を通して、彼はきっとたくさんの大事なものを渥美清から教わったのだろう。

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