永六輔がラジオ番組で「寅さん」秘話を語る

伊集院光が司会を務めるTBSラジオの番組「週末TSUTAYAに行ってこれ借りよう!」に永六輔が出演した。

この番組は、一人のゲストが二週にわたって登場、前半週ではおすすめの映画をひとつ紹介しその見どころを語り、後半週では実際にその映画を見た感想を出演者で語り合うというコンセプトのラジオ番組である。

この番組に登場した永六輔は、おすすめ映画として第18作『男はつらいよ 寅次郎純情詩集』をセレクト。この作品には永六輔本人もチョイ役で出演しており、出演に至る経緯、裏話などが番組で披露された。

この作品に永六輔は警官役で出演する。町角でクジラ尺を売る寅さんを注意しようとするが、寅さんの勢いに押されて何も言えずに立ち去っていくという情けない警官役である。

このキャスティングには裏話がある。永六輔は当時、日本の伝統的な文化である「尺貫法」を復活させる運動をしていた。かねてから仲がよかった渥美清はその運動を支援するため山田洋次監督にキャスティングを打診し、永六輔の「男はつらいよ」出演が決まったのだという。

「計量法」が制定されたことで、尺や寸の表記がされた「尺貫法」のものさしを売ったり、その単位で測られ作ったものを販売すると『1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金』ということになる(しかも、この法律は今でも有効)。つまり、法律上「尺貫法」にのっとったクジラ尺を売る寅さんは捕まるはずだったのである。

劇中にて、永六輔扮する警官は「計量法」にのっとり寅さんを捕まえようとするが、寅さんは「そうそうおまわりさん、あなたがきているその制服も、職人さんたちがこの測りを使わなきゃあ作れない!」とあっさり撃退してしまう。このやり取りを通じて「計量法」のバカらしさを訴えたいという意図があったのだ。

番組ではこの他にも、永六輔だからこそ知りうる興味深いエピソードが語られていた。

たとえば、渥美清は『男はつらいよ』の台本ができると、それを永六輔に渡し「何かギャグがはさめるようなら考えてくれ」という依頼をしていたそうである。依頼を受けた永六輔はギャグを考案し、渥美清に伝達。中には実際に採用されたものもいくつかあったようである。

そのうちのひとつが、第8作『男はつらいよ 寅次郎恋歌』にでてくる「はい、笑ってぇ~?」のギャク。葬式に参加した寅さんが写真撮影の際、葬式という場を忘れて無邪気に「はい、笑ってぇ~?」といってしまい顰蹙を買う、というシーンである。

この日の放送はyoutubeなど、ネット上に音源がちらほらと出まわっているようなので、興味のある向きはぜひ音源を聞いていただきたい。伊集院光の『男はつらいよ』感想もとても面白いものであった。

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      2016/06/01

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