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「本人取材を元にライターがまとめた渥美清の半生記」【書評】渥美清 役者もつらいよ/吉岡範明

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「渥美清が唯一残した自伝」という触れ込みの「新装版 渥美清 わがフーテン人生」という書籍がある。この書籍は、1976年に毎日新聞社の週刊誌「サンデー毎日」にて、全17回にわたって連載された渥美清の告白的半生記連載を一冊にまとめたものである。

渥美清
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当時、この連載のインタビューライターを務めたのが、本書「渥美清 役者もつらいよ」の著者である吉岡範明氏である。吉岡氏によると、「サンデー毎日」の渥美清連載は非常に好評で、本来10回で完結する予定のところ、17回に延長されたそうである。

連載終了後、毎日新聞社は連載を一冊の本にすることを提案したが、渥美清は「僕は、役者が仕事で作家じゃありませんから勘弁してくださいよ」(2P)と断わられたという。渥美清の貴重な半生記がこのまま埋もれてしまうことを惜しんだ吉岡氏は、取材内容をベースに新たな書き下ろしを行うことを条件に、渥美清の承諾を得て本書を著した。原本は1977年に出版されているが、渥美清の死後、多少の加筆を行い改めて出版されたのが本書である。

このような成り立ちの本書であるから、内容は「新装版 渥美清 わがフーテン人生」がベースになっている。ただし、「新装版 渥美清 わがフーテン人生」は、全編にわたって渥美清が自ら語り下ろすスタイルだったが、本書は吉岡氏が第三者視点で渥美清の来歴を紹介するものに置き換わっており、時折、渥美清の言葉がカッコつきで引用されるスタイルになっている。

また、本書「渥美清 役者もつらいよ」には、「新装版 渥美清 わがフーテン人生」にはなかったエピソードも少なからず掲載されている。後者は元々が雑誌記事であるため、紙幅の関係からカットされたエピソードも少なからずあったのだろう。一方、本書「渥美清 役者もつらいよ」は、紙幅制限のない書き下ろしのため、そのようなエピソードに加えて、吉岡氏が取材した補足情報なども加えられており、渥美清の半生記としては若干厚みを増している。

渥美清の話す言葉が「……でございますよ」と寅さん口調に脚色されているのが大変惜しいが、渥美が繰りだす比喩や表現はウワサに聞く通りの面白さで、当時の録音テープが現存していたら……と夢想してしまう。渥美清の半生、そして『男はつらいよ』誕生の秘話まで気楽に楽しめる一冊。話術の天才とよばれた渥美清の語り(の雰囲気)を知りたい方にはおススメの一冊。

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