2014年4月13日「原宿シネマ×男はつらいよ」浅草キッド・玉袋筋太郎館長 イベントレポート

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2014年4月13日(日)、浅草キッドの玉袋筋太郎が館長を務める寅さん上映会&トークショー「原宿シネマ×男はつらいよ」に行ってきました。

「原宿シネマ×男はつらいよ」は各界の寅さん好き著名人を招き、思い入れのある寅さん作品の上映とそれにまつわるトークを展開するイベント。

2014年3月開催の前回イベントにはスチャダラパー・アニが登場。さらに以前には、みうらじゅん、濱田岳、森本千絵オジンオズボーン篠宮暁らが出演するなど、バラエティに富んだ館長ラインナップが魅力の上映会です。

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写真の通り、今回は開場前から軽い待ち行列が出来るほどの盛況ぶり。館長・玉さんへの期待値の高さが感じられます。

ダボシャツに腹巻きというイデタチで登場した玉さんの開館挨拶でイベントはスタート。いい具合にしゃがれた声から下町のお兄さん調の言葉がポンポンと飛び出し、場内のテンションがにわかに上がります。ほんと、縁日の屋台にいる威勢のいいテキ屋のお兄さんみたいだなあ。

今回、玉さんが選んだ作品はシリーズ最高傑作の呼び声も高い第15作『寅次郎相合い傘』。玉さんは現在47歳、当時の渥美清も47歳でちょうど同い年なのだそうです。脂の乗り切った渥美清の熱演と、日本映画史上に残るお茶の間劇「メロン騒動」に注目!と見どころを語っていよいよ上映開始です。

「はじまりの夢のシーンは海賊だよ!バイキングだよ~!数字の悪いあのバイキングじゃないよ~!」。上映開始直前、玉さんが客席後方から野次を飛ばし笑いを誘います。スクリーンに向かって野次や歓声が飛ぶという昭和の映画館って、たぶんこんな雰囲気だったんでしょうね。

玉さんの前説でしっかりと温まった客席は、上映中もテンションが高い。寅さんはもちろん、おばちゃんの小ボケや博のツッコミまでドッカンドッカンとウケる!私はこの作品を何回も見ているはずなのに、玉さん前説のおかげで非常に新鮮な気持ちで作品を鑑賞することができました。前説の重要さを再発見するとともに、寅さんはやっぱり多人数で見た方が絶対楽しいよね!とあらためて実感した次第であります。

上映終了後は玉さんのフリートークへ。「桃さん(トラック野郎)、梅さん(ど根性ガエル)、両さん(こち亀)と並んで、人格形成に多大なる影響を与えたのが寅さん」というだけあって、寅さん四方山話はいっこうに尽きることがありません。次から次へと爆笑トークが続きましたが、その中でも特に印象深い話をご紹介します。

玉さんが以前行ったことがあるという、長野県小諸市にある「こもろ寅さん記念館」設立の裏話。記念館の設立者は元々一般人で、渥美清とプライベートの親交があったイチ寅さんファンでした。ある時「小諸で"寅さん記念館"をやりたい」と渥美清に相談をしますが、プライベートの付き合いを利用されたように感じた渥美清は激怒したそうです。

渥美清との友情はこれでもう終わった……失意の日々を過ごす設立者の元に、ある日突然、渥美清が所有する寅さん関連の衣装、資料、台本などがトラック目一杯に積まれて届けられたそうです。

設立者には重度の障害を持つ息子がおり、渥美清は、この息子がなんとか一人で生活していけるようにしてやりたいとずっと心配をしていたそうです。「寅さん記念館」ができれば、その息子は記念館スタッフとして食っていくことができるのではないか。そんな思いから、自分が関連するほとんどの品を設立者に贈ったのだそうです。

自分のプライベートを切り売りするような事をもっとも嫌っていた渥美清でしたが、そんな些細なこだわりより男同士の友情を優先することで「寅さん記念館」は設立されていたのです。玉さんの大好きそうな男臭い友情譚ですね。嗚呼いい話……。

その他、「現在活躍する女優で寅さんのマドンナにふさわしいのは誰か?」の話題も盛り上がりました。鈴木京香、満島ひかり、蒼井優などが候補に上がる中、会場から"長澤まさみ"の声があがると玉さん「俺、あいつと競輪場で会ったことないぞ!」と一刀両断。場内大爆笑。

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すべてのプログラムが終了すると、場内では引き続き、玉さんの歌うスナック応援歌『酔街エレジー』と玉さん著作『新宿スペースインベーダー昭和少年凸凹伝』の即売会&サイン会が始まります。

私はサイン入りCD『酔街エレジー』を購入。この『酔街~』は日本全国津々浦々に数多あるスナックに向けた応援歌ながら、どこか寅さんとリリーを想起させるような曲。特に下記の一節には、第15作『寅次郎相合い傘』を彷彿とさせる世界観があります。

生きていくのは楽じゃない

いいことばかりは続かない

そんな夜には この止まり木で

疲れた翼を休めりゃいい

 

呑んで、呑んで、また呑んで

忘れられるなら それでいい

酔街・横浜・野毛辺り 哀しい女が唄ってる

玉さん現在、一般社団法人全日本スナック連盟(通称・全スナ連)を立ち上げ、日本のスナック文化の啓蒙活動に邁進しておられます。この歌詞に登場するリリーのような哀しい女との出会いを求めて、今夜もきっとどこかのスナックで杯を傾けているのでしょうね。

以上、玉袋筋太郎館長による「原宿シネマ×男はつらいよ」のイベントレポートでした。今回の開催をもって、「原宿シネマ×男はつらいよ」の第三弾はいったん終了。マニアだけでなく寅さんビギナーにとってもお誂え向きのこのイベント、ぜひ次回の第四弾開催に期待したいところです。

      2014/05/06

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