『男はつらいよ』主題歌は「ヨナ抜き音階」でできている

みなさんおなじみ、男はつらいよの主題歌『男はつらいよ』。音楽に明るい向きならばすでにご存知かもしれないが、この主題歌『男はつらいよ』は「ヨナ抜き音階」で作られている。

「ヨナ抜き音階」については、ピアノ演奏家の安倍美穂さんによる解説が極めてわかりやすい。以下引用。

ヨナ抜き音階って、ご存知の方も多いでしょうがクラシック音楽の音階の4番目と7番目の音を抜いたものです。

ハ長調でいうなら4番目のファと7番目とシを抜くのでと構成音はドレミソラとなります。明治以降、西洋音楽を普及させるために、あちらの音楽を日本人にもなんとか受け入れやすい形で、とメロディー部分に取り入れられました。

日本音楽の音律と並び方は違うけれど構成音が同じということになります。「チューリップ」も「こいのぼり」も昔からある童謡のメロディーは大体ヨナ抜きですが、昔のものに限らず日本のあらゆる曲の中によく見られ(聴かれ?)ます。

このヨナ抜き音階でメロディーを作るとどんなバタ臭い(この言葉、今でも通用しますか?)スタイルのものでもあ~ら不思議、ほどよく日本風な音楽に変わります。つまり伴奏の和声は西洋風で、メロディーは日本風、という形でカステラの上にアンコを乗せたようなものでしょうか。

お菓子の場合もこのようにするとアンコの威力が大きく、土台にカステラを使っていても和菓子の範疇にはいるような気がします。

ピアノ演奏家・安倍美穂Webサイト
「ヨナ抜きと君が代」より引用
http://music.geocities.jp/klavierboston/music2.htm

さすがピアノの先生である。「伴奏は西洋風でメロディーは日本風」「たとえると、カステラの上にアンコをのせたものがヨナ抜き音階」。音楽の素養がない私にもヨナ抜き音階のなんたるかが十分に理解できる。

『男はつらいよ』がここまで日本人に愛される映画シリーズになった一因として、劇中のさまざまな要素が日本国民に馴染み深いものであるから、という分析がされることがある。山本直純作曲による主題歌もその例にもれず、日本人に馴染みの深い音階で作られていたのである。

「主題歌『男はつらいよ』はヨナ抜き音階」の事実は、以下の本の指摘によって私は初めて知った。本書は、社会心理学などアカデミックなアプローチから男はつらいよを分析する面白い本である。

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      2016/06/01

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