2013年7月27日「フジロックフェスティバル'13」男はつらいよ上映@富士映劇 イベントレポート

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今年もフジロックフェスティバルで『男はつらいよ』を見てきました。「ロック」と「寅さん」という、一瞬理解に苦しむこの珍妙な組み合わせ、現地の様子をレポートいたします。

まず、ご存知ない方のために少しだけご紹介を。フジロックは国内外200組以上のアーティストが参加、大小14のステージで朝からなんと翌朝早朝まで、丸々3日間にわたり演奏が続く日本最大の音楽イベントです。

いや、音楽イベントいうのは適切ではないですね。かつてのフジロックにあったものも含めると、会場内にはサーカス、キャバレー、大道芸、サウナにゴンドラ、ヘリコプター。まだまだあるぞ、キャンプに託児所、レストラン、お化け屋敷から盆踊り、なんと結婚式まで挙げられる。まさになんでもあり、文字通り「フェスティバル」なのです。

この中に映画があるのも当然といえば当然で、「富士映劇」は2009年から通算5回目の開催になります。

「富士映劇」は野外劇場。頭上には夏に特有の高い青空、左手にはすき通る水がサラサラと流れる小川、右手には目に鮮やかな深緑の木立。思わずビールが欲しくなるこんなロケーションのど真ん中、ぽっかり空いた空間が深夜には劇場に変身します。

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上映は深夜24時から。開演前には森林をスクリーンに、幻想的なグラフィックを写し出す演出がはじまります。樹木の枝葉が作る計算不能な凹凸の上に、七色の光が大パノラマでうねる様子は、まるで自然を活用したプロジェクションマッピング。これだけでも圧巻であります。

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上映に向け人が少しづつ増えました。最終的にざっと100人は集まっていたでしょうか。まだかなまだかなと、待ちきれないお客さんがざわつく中、いよいよおなじみのオープニング音楽が流れだします!

「チャ~ チャラリラリラリララ~♪」自然発生的に湧き上がる拍手と「寅次郎!」「寅さ~ん!」の歓声。よっ!待ってましたよ寅さん!

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わざわざロックフェスにきて、みんなで寅さんを見ている不思議な光景。このシチュエーションのおかしさと、物好きな仲間がたくさんいるという一体感で、なんだか胸がほっこりいたします。

上映作品は『男はつらいよ 翔んでる寅次郎』。桃井かおりをマドンナに向かえた第23作目であります。上映中にふと、おとなり二人組の話し声が耳に入りました。

「寅さんって葛飾柴又にずっといるわけじゃないんだね」
「寅さんってなんの仕事してるの?」

そう、この場には、男はつらいよを人生で初めて見る、という人もいるのです。初寅さんを向かえたと思しき人々の、新鮮な反応をこっそり聞いているだけでもとても興味深い。

当日は朝から雨が降ったりやんだりの空模様でしたが、上映中には雨が少しも降ることなく、快適な上映でした。やっぱり、寅さんに雨は似合わないもんな。そして、上映後には自然な拍手が起こり、これも普通の映画館ではなかなかお目にかかれないこと。

「ロック」と「寅さん」。異質な組み合わせかと思いきや、なんの違和感もなく、むしろ不思議な一体感が生まれていました。

ロック好きでも嫌いでも、リピーターでも一見さんでも、全方位で包みこむ寅さんの懐の広さを垣間みた夜でありました。

      2014/04/30

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